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認知症とは、脳の病気などにより、脳の機能が持続的に低下した状態をいいます。
これは誰にでも起こりうるもので、85歳以上の4人に1人はその症状があるともいわれています。
認知症の患者数は、平成22年現在169万人ほどと推定されていますが、今後20年間で倍増することが予想されています。




●アルツハイマー型認知症
認知症のなかで最も多いタイプです。
多くの場合、記憶障害(もの忘れ)から始まり、次第に進行していきます。また、もの忘れの他にも、時間や場所、人の見当がつかなくなる、季節に合った衣服を選べない、計算ができない等の症状もみられます。
原因ははっきりとわからず、病気の進行を完全に止める方法はみつかっていませんが、現在は病気の症状を改善し、進行を遅らせる薬が開発されています。
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対応方法のポイント
■個々の生活歴や性格に基づいた対応が必要です。
手続き記憶(道具の使い方など)を用いたレクリエーション療法なども効果的です。
たとえば「仕事に行かないと」と言い徘徊している場合・・・
たとえば「仕事に行く」と言い徘徊している場合は 「お茶でも飲んで、ひと休みしましょう」ではなく 「仕事を手伝ってもらえますか」と役割を持っていただけるような対応が良いでしょう。
■記憶障害から家族でも心の距離が遠ざかると『知らない人』と思い否定してしまいます。反対に、他人であっても四六時中生活を共にして、近い関係にいると以前から知っている者と思い「なじみの人間関係」を築きやすいです。
■病期(初期・中期・末期)を考慮した支持的な関わりが原則です。 |
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●血管性認知症
認知症全体の約2〜3割を占めています。
脳梗塞(脳の血管が詰まる)や脳出血(脳の血管が破ける)により、その部分の脳の働きが悪くなることで起こります。
障害された場所によって症状は異なります。多くの場合、感情のコントロールが難しくなり、意欲の低下等がみられることも特徴のひとつです。
高血圧や糖尿病等の生活習慣病をきちんと治療し、喫煙・過度の飲酒を控えることにより、予防が可能な認知症です。
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対応方法のポイント
■病前の職業や性格を把握して、言葉かけに注意を払います。
■支持的な対応が有効です。
抑うつ症状や、性格の先鋭化、感情失禁に関連して、興奮・攻撃性が急激に増悪することもあるので見極め対応します。本人に逆らわず安心できる人間関係を確保できるようにします。
■得意なこと、できることなどの役割を持ち実施できるとよいでしょう。
■集団よりも個別的な1対1の関係を築きやすいです。
■記憶・人格・判断力が比較的保たれているので、回想療法や、リアリティーオリエンテーションなど効果的です。
■麻痺などの神経症状を考慮して、レクリエーションや作業療法のプログラムの選択が必要になります。
■原因疾患の再発の予防が大切です。
■麻痺や、嚥下の状態、言葉の障害などの症状を評価し、転倒や誤嚥を予防することが大切です。 |
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●レビー小体型認知症
認知症全体の約1〜2割を占めています。
記憶障害に加えて、幻視(実際には存在していないものが見える)やパーキンソン症状(筋肉がこわばり動作が鈍くなる、小刻みな歩行になる等)がみられることが特徴です。
また、立ちくらみや便秘等の自律神経症状を伴うこともあります。調子の良い時と悪い時の波があります。
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対応方法のポイント
■幻視への対応は「否定や説得はせず十分話を聞いてあげましょう!」
たとえば「知らない人が入ってきて、サイフを盗られた」に対して 「ここに泥棒はいませんよ。サイフを一緒に探しましょう」ではなく 「その人が戻してくれたらいいですね」と受け止める対応が良いでしょう。
■幻視に対して、特に怖がる様子がない場合は、否定をして実際にはそんなことはないことを話てもよいでしょう。ただし、一方的に否定するのではなく、十分に話を聞くようにしましょう。なお、薬物療法が必要なことも少なくありません。
■幻視は薄暗い環境で生じることが多いので、日中は部屋の明るさを十分保つことが大切です。
■薬への反応が過敏になることがあります。
■状態には日による変動や日内変動があることを理解して、不良な時は1人の部屋などで静かに過ごすのも良いでしょう。
■失神、身体が傾くことがあるので、転倒に注意し事故を防止しましょう。
■言語的理解は保たれていますが、言語的な表現に障害が生じやすいので、言いたいことを代弁して明確化する対応も必要です。 |
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●前頭側頭型認知症
認知症のなかでは1割以下とされます。
主に前頭葉と側頭葉の委縮が目立つ認知症です。本能的な抑動を自制できなくなり、気持ちのおもむくままに行動したり、同じ行動を繰り返したりすることが特徴です。もの忘れよりも、人格や行動の変化が目立ちます。意欲の低下や食行動の変化(甘い物を食べ過ぎる)で気付かれることもあります。
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対応方法のポイント
■何かをしてもすぐに立ち去る行動がありますが、無理強いはしないようにしましょう。
■常動行動のパターンを把握し、ごく自然に方向修正できるように寄り添うことが良いでしょう。
■言葉による指示は、本人の混乱を招くこともあります。
■活動をルーティン化・・・過去の生活歴から、単純で視覚的に理解しやすい活動を選択し、場所や対応する人を同じ人に限定して行うと良いでしょう。
■食行動異常による異食などもみられるので、誤嚥や窒息に注意が必要です。 |
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(1)中核症状
認知症の症状には、記憶障害(物忘れがひどくなる)・見当識障害(自分のいる場所や時間がわからなくなる)・実行機能障害(今までできたことができなくなる)・理解判断力の障害(理解し判断する能力の低下)などがあります。これらは脳の機能の低下によって引き起こされるもので、認知症の中核症状と呼ばれています。現在のところ、中核症状を根本的に治療する方法は見つかっていません。
(2)行動・心理症状
これに対し、不安・焦燥感、興奮、暴力、徘徊などは行動・心理症状(BPSD)と呼ばれ、適切な治療によって改善できる可能性があります。
病院で行う治療は、行動・心理症状の改善を目的とするものです。




たとえ認知症になっても、その人の人格がすべて失われてしまうわけではありません。周囲の人たちが温かく見守ることによって、症状が安定し、病状の進行を緩やかにすることができます。



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