●m-ECT(修正型通電療法)とは
●m-ECT(修正型通電療法)の適応
●具体的な診断と状態
●治療開始までのフロー
●副作用について
●他の治療(薬物療法)との比較
●医療機関の方々へ
副作用について
かつての電気けいれん療法でみられていたようなけいれん発作は、筋弛緩薬を用いる為生じませんが、修正型電気けいれん療法にも他の治療法と同じく副作用はあります。
A:通電直後にあらわれるもの
(1)血圧上昇・頻脈
ほぼ全症例で起きます。3〜5分で消失しますが、必要時には降圧剤などで適宜対応します。
(2)不整脈
稀です。心電図をチェックしながら監視します。不整脈に対する薬などで対処する事もあります。
(3)死亡事故
1万人に1人、8万回治療回数に1回とされています。
B:麻酔から覚めた後にあらわれるもの
(1)健忘
最も多い副作用です。治療前後の事を思い出しにくくなる事がありますが、数時間から数日で回復します。
(2)記銘力障害
物覚えが悪くなる、という事があります(頻度は不明)。3〜4週間続く事がありますが、一過性で元に戻ります。なお、無けいれん通電療法を繰り返し施行することによって、不可逆な脳障害が生じたという報告はありません。
(3)頭痛
約45%に見られます。これらの程度は軽いので、適切な治療で改善します。
(4)もうろう状態
覚醒後、もうろうとした状態になる事がありますが、通常一過性です。認知症などの病気が合併している場合、通常よりも長く続く場合があります。
(5)嘔気
麻酔の種類により異なりますが、約1〜25%でみられます。程度をみて治療を行っていきます。